スティーブ・ジョブズ映画が興行的に失敗し、劇場から撤退

スティーブ・ジョブズ映画が興行的に失敗し、劇場から撤退

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スティーブ・ジョブズ役のマイケル・ファスベンダースティーブ・ジョブズ役のマイケル・ファスベンダー

Box Office Mojoのデータによれば、「スティーブ・ジョブズ」の週末興行収入は82万3000ドルで、これまでの興行収入は1668万4073ドルにとどまっており、製作費3000万ドルには程遠い。

ソーキン氏の脚本は、ウォルター・アイザックソンによるジョブズ氏の公式伝記にかなり大まかに、むしろインスピレーションを受けたような内容だった。結局のところ、それが多くの人々を遠ざけた原因だったのかもしれない。この映画に対する最大の不満は、必ずしも事実に基づいていないことだ。

映画の前提は、この不満をうまく捉えている。なぜなら、初代Macintosh、NeXT Cube、そしてiMacという3つの主要製品発表に至るまでの数分間、ジョブズ氏が私生活や仕事で関わる人々とどのように交流していくかを描いているからだ。発表前のドラマは一切描かれず、多くのシーンは、実際に何が起こっていたかに関わらず、ソーキン氏が自身の物語を語れるように作られている。

多くのAppleファンをうんざりさせるには、それだけで十分だったかもしれない。事実関係の不正確さは一部の人にとって深刻な問題であり、ジョブズ氏が彼らにとってネガティブなイメージで描かれていることも大きな障害となった。

それでも、映画ファンが『オデッセイ』ではなく『オデッセイ』を選んだ理由は他にもあるかもしれない。スティーブ・ジョブズを描いた映画を見ることに興味がなかっただけかもしれない。もしかしたら、公開が遅すぎたのかもしれないし、あるいは数年早すぎたのかもしれない。

スティーブ・ジョブズがアシュトン・カッチャーとジョシュ・ギャッド主演の伝記映画『ジョブズ』をわずかに上回る興行収入を上げたことは、さほど慰めにはならない。以前のスティーブ・ジョブズの伝記映画は、アメリカでわずか1613万1410ドルしか稼いでいなかった。

ソーキン監督の映画で残念なのは、彼の作品に期待されるような激しいセリフ満載の、実に素晴らしいストーリーである点だ。アップル創業者の創業初期から復帰に至るまでの彼の周囲にいる人々の雰囲気を、実に巧みに捉えている。言い換えれば、膵臓がんに屈する前のスティーブ・ジョブズではなく、より辛辣で辛辣な人物像を描いていると言えるだろう。

スティーブ・ジョブズの晩年を描いた続編映画があれば素晴らしいが、今作の興行成績の悪さを考えると実現は難しいだろう。

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