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ブラジルのビジネス誌Exameの最新報道によると、AppleはブラジルでのiPhone組み立て拡大計画を再検討しているという。この動きにより、サンパウロ州ジュンディアイにある既存のFoxconn工場が、中国製デバイスに対する米国の関税の影響を軽減するための代替生産拠点となる可能性がある。
Appleは4月初旬、ブラジルの工場は国内市場のみに対応しているとして、そのような拡張を否定した。しかし、Exame社は現在、Appleがジュンディアイの工場の機械設備を積極的にアップグレードし、米国への輸出に対応できるよう工場を整備していると主張している。Appleはこの移転を公式に認めていない。しかし、今回の報道についても否定していない。
米国の関税に対する戦略的対応
米中間の貿易戦争の激化により、Appleは製造戦略の見直しを迫られている。Apple製品の大部分は依然として中国で生産されているが、関税の上昇により生産コストが上昇している。米国の現行の政策では、中国製のiPhoneには145%の輸入税が課せられる。インドとベトナムもそれぞれ26%と46%に引き上げられる一方、ブラジルの対米輸出にはわずか10%の関税しか課せられていない。
Exameによると、Appleは昨年からジュンディアイ工場での生産変更を検討し始めたという。Foxconnが運営するこの工場では、すでにiPhone 14、15、16シリーズの基本モデルが組み立てられている。iPhone 16eは発売以来ブラジルで組み立てられている。しかし、Proモデルは依然として輸入されている。
Appleはブラジルからの輸出計画や輸出量の増加については明言していないが、サプライチェーンにおけるブラジルの役割は認めている。直近の決算説明会では、CEOのティム・クック氏とCFOのケヴァン・パレク氏は、関税関連コストの軽減に向けた取り組みについて議論する中で、ブラジルについては言及せず、インドとベトナムを生産拠点としてのみ挙げた。
ブラジルがプランBとして浮上
インドが米国からの長期的な貿易圧力に直面した場合、ブラジルの役割は拡大する可能性がある。カウンターポイント・リサーチによると、Appleの多角化計画は現在、関税と物流、コスト、品質管理のバランスを取ることにかかっている。ブラジルの税制優遇措置は現地生産コストの削減に役立っているものの、ブラジルの消費者にとっての小売価格に大きな低下は見られない。
今、そのインフラは別の目的、すなわち中国並みの関税を課すことなくアップルの米国サプライチェーンを支えるという目的を果たす可能性がある。フォックスコンのジュンディアイ工場は5,000人から10,000人の従業員を雇用しており、すでにアナテル(米国電気通信庁)から新型iPhoneの製造許可を得ている。
アップルがブラジルでの生産規模を拡大するかどうかの決定は、工場が世界的な流通に支障をきたすことなく需要を満たせるかどうかにかかっている。今のところアップルは沈黙を守っているが、今回の変化は、ジュンディアイがもはや地元市場への対応だけにとどまらないことを示唆している。